2007年 ル・マン24時間耐久レースのディーゼルピストン技術


2007年10月、ドイツ、シュツットガルト-乗用車用ディーゼルエンジンのピストンに対する要件が着実に高度化しているように、アウディのル・マン用レーシングカーのディーゼルエンジンのピストンに対する要件も、2年目の本年には非常に高いものとなりました。2006年度にデビューしたアウディの初代のディーゼル レーシングエンジンに比べ、さらに大きな負荷に対応するため、ピストンの大幅な強化と細部にわたる最適化を行う必要がありました。さらに、2007年度は2006年度に比べ、規定によりディーゼル車の燃料タンクの容量が10% 削減され、ディーゼルエンジンの出力の向上と燃料消費量削減が開発目的の1つになりました。

マーレのエンジニア達は、乗用車用ディーゼルピストンでの広範なテストで実証されている中空大摩環に加え、燃焼室口元にはセラミック繊維による複合材を採用しました。これにより、この24時間レースの間、ピストンは燃焼室口元部に掛かる大きな熱負荷に耐えることができ、割れの発生を防ぐことができます。セラミック繊維を鋳込むことにより、燃焼室口元部の負荷容量の増大を図っています。特にこの目的のために、マーレは、ロボット支援の中圧ダイカスト法(RMD)と呼ばれる加圧鋳造法を開発しました。この方法では、セラミック繊維がアルミニウム溶湯によって完全に浸漬され、アルミニウム母材内にセラミック繊維が完全に複合されます。周到な準備と品質の最適化に加え、このテクノロジーが、本年のル・マン24時間でのアウディの総合優勝の鍵になりました。アウディR10 TDIレーシングカーのV12ディーゼルエンジンは、650hpの出力を誇り、369周5,029kmを走破しました。不順な天候にも関わらず、平均速度は実に236km/hに達しました。

レースから得られた経験と高性能エンジンについてのノウハウは、マーレのプロダクト・ラインの製造開発に直接活かされています。

マーレグループは世界自動車部品業界において上位30社の中にランクされています。また、エンジン部品・システムのテクノロジーリーダーとして、ピストンシステム、シリンダーコンポーネント、バルブトレインシステム、エアーマネージメントシステム、リキッドマネージメントシステムの5つのプロダクト・ラインにおいては、世界トップ3サプライヤのひとつです。現在、世界に110の生産拠点と7つの開発拠点を有し、従業員数は40,000人以上。また、2006年の売上は約6,450億円(約43億ユーロ)です。


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