サーマルマネージメントの最適化で電気自動車の航続距離、車両性能、快適性を向上

2017年10月、東京:カーボンニュートラルなパーソナルモビリティの実現のためには、e-モビリティの導入が長期的には不可欠になることは間違いありません。このe-モビリティの分野においても、マーレはイノベーションリーダーであることを目標に掲げています。EVの車両性能、航続距離、車両寿命を改善するためには、熱循環の管理を洗練することが必須要件です。マーレは、IAA2017で、従来の枠にとらわれないアプローチでサーマルマネージメントを向上させる革新的な製品ソリューションを展示しました。

  • 電気自動車(EV)の未来を開く、マーレのサーマルマネージメント技術
  • マーレ独自のソリューションによりEVの航続距離を最大20%向上
  • e-モビリティの成功の決め手となるサーマルマネージメント技術
  • 独フランクフルトモーターショー2017(IAA2017)で展示されたマーレの総合的アプローチが高い評価を獲得。
  • IAA2017で初公開したマーレの48Vコンセプトカー「MEET」(MAHLE Efficient Electric Transport)に、洗練されたサーマルマネージメント技術を搭載。

冷却だけに留まらない多様なサーマルマネージメントのニーズ 数年

数年前まで、エンジン冷却と言えば、特に高負荷時におけるエンジンの過熱対策が最優先課題でした。しかし、今はそのニーズも多様化しています。燃費や排ガスの削減がより一層求められるようになり、車内の快適性に対する考え方も変化しました。何より、パワートレインの電動化が進んだことが冷却に対する考え方を大きく変えることになりました。サーマルマネージメントは、複雑化が急速に進んでいます。

サーマルマネージメントの果たす役割は、これに留まりません。e-モビリティの成否はサーマルマネージメントの改善にかかっていると言っても過言ではありません。「バッテリーの長寿命化」、「ドライブシステムのパフォーマンス向上と航続距離の両立」、「乗員ひとりひとりへの快適性の確保」などの、様々な課題を解決へと導く鍵となるのが、サーマルマネージメントなのです。「熱」に関する課題が多様化すれば、様々な温度レベルに対応する冷却水回路が必要になります。今日のサーマルマネージメントにおいて最も優先されるべきは、冷却水温度を最適レベルに維持することなのです。これがエネルギー使用の効率化に大きく貢献する要件となります。

「内燃機関に代わる熱源とは」:マーレにはその答えがあります。

一見、パワートレインの電動化は、サーマルマネージメントの単純化につながるように思われます。確かに回路数は減少します。しかし、それ以上に、最も重要な熱源である内燃機関を失う影響は小さくありません。特に、冬季の車内温度の管理は大きな課題となっています。乗員にとっては、快適性だけでなく、安全性、すなわち運転に集中できる環境を整える意味でも重要な要件です。この問題に対応するためにマーレがまず着手したのが、高電圧ヒーターを空気側または冷却水側に設置する試みです。大幅な設計変更をすることなく、車内の快適性を向上させるソリューションとして注目しましたが、走行用バッテリーの電力を熱源にするため、航続距離が犠牲となる問題が残りました。そこで、次に着目したのが排熱利用です。電動モーターやパワーエレクトロニクスの発熱量は決して多くはありませんが、これにマーレのヒートポンプ技術を組み合わせることで、0℃の外気温における航続距離を最大20%向上することに成功しました。

急速充電:e-モビリティ普及への前提条件

現在のe-モビリティの課題の一つは、充電時間の長さです。今後、e-モビリティの普及を加速させるためには、充電時間を大幅に削減することが必須です。マーレは充電時間の短縮化を実現する高機能部品を既に開発しています。

タンクに燃料を注入する内燃機関システムと違い、バッテリーの充電には「発熱」がつきものです。充電を高速化すると、より大きな電流が必要となり発熱の原因となります。これがエネルギー損失を増加させるのです。バッテリーの劣化を回避しながら急速充電を実現するためには、全ての冷却回路を総動員する必要があります。外気温の変化に合わせたバッテリー温度管理が可能な「アクティブ・クーリング」技術が求められるのです。例えば、高い外気温の条件下で急速充電を行う場合、バッテリー温度をコントロールするためにエアコンを稼働させます。これに必要な電力は最大12kWです。ちなみに、車室内の冷却に必要な電力はおよそ8kWです。

都市交通におけるEVの航続距離向上

48V型コンセプトカー「MEET」では、サーマルマネージメント技術により一層の磨きをかけ、アーバンモビリティ(都市交通)に最適で実用的な電動パワートレインシステムの提案を行っています。MEETで注目すべきは、その驚異的なエネルギー効率にあります。様々な省エネ技術をパワートレインとサーマルマネージメントに導入し、エネルギー効率の最大化を実現しています。その結果、特に低外気温の環境下における航続距離を飛躍的に伸ばすことが可能になりました。MEETは、IAA2017で世界初公開されました。

すべての動力源に対応したマーレの包括的ソリューション

車両全体を包括的に捉えたインテリジェントなサーマルマネージメントこそ、e-モビリティ普及のための絶対要件です。このアプローチは、これからの移動手段を支える様々な動力源(燃料電池など)でも、同様に重要視されることが予想されます。マーレには、これからのサーマルマネージメントに求められるソリューションの開発、そして実用化を実現する経験とノウハウがあります。マーレは、ハイブリッド車や電気自動車、燃料電池車など、複雑なサーマルマネージメントが求められる車両に最適な製品そしてシステムを提供します。

マーレグループについて

マーレは、自動車業界のグローバル開発パートナーです。未来のモビリティに向けて、技術革新をすすめています。マーレグループは、より効率良く、環境に優しく、快適な運転を追求するために、内燃機関の更なる最適化、代替燃料の推進活用、eモビリティの世界的な普及に努めています。パワートレイン、フィルターや潤滑、エアコン技術、バッテリー分野においてユニークなシステム技術を提供し、全世界で生産されている車両の2台に1台に製品を供給しています。また、世界のレーストラックやオフロード、産業用・汎用エンジン、船舶、鉄道など自動車以外の多岐にわたる業界でも長年にわたり活用されてきました。

1920年にドイツの小さな町工場で設立したマーレは、2016年度の売上高が約123億ユーロに達しました。現在、世界34ヶ国、170の生産・営業拠点で、77,000人が従事しています。グローバル開発パートナーとして、ドイツ、英国、ルクセンブルグ、スペイン、スロベニア、米国、ブラジル、日本、中国、インドで展開している主なテクニカルセンター16ヶ所で、約6,000人のエンジニア・技術者が革新的なソリューションのために日々取り組んでいます。

お問い合せ先:

マーレジャパン株式会社
広報担当 ジュディアン・ゴ(日・英)
Tel: (03) 6735-8413
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