エアマネジメント

車両のエアマネジメントは「エアセクション」から始まります。エアセクションでは、取り込んだエアを濾過し、エアインテークモジュールで燃焼室まで誘導します。次に「ターボ過給システム」へと続きます。ターボ過給システムは、ターボチャージャーやインタークーラーのほか、EGR用の制御装置、温度管理装置などから構成されています。

製品ラインナップ

オイルミストセパレーター

「クランクケース・ベンチレーション・システム」は、オイルミストで汚れたガスをクランクケースから確実に排出するシステムです。内蔵されたオイルミストセパレーターがガスと油分を分離します。分離されたオイルはオイル回路へ、 清浄化された空気は吸気システムへそれぞれ戻されます。各エンジンの要件によって、エア流量やオイル量が異なります。そうした多様な条件に対応しながら油分を確実に分離する高い性能が、オイルミストセパレーターには求められます。 それを達成できるのが「アクティブオイルミストセパレーション」です。エンジンの駆動条件に影響されることなく、高い分離性能を安定して発揮します。これを採用することで、ガスをアクティブに管理するだけでなく、ベンチレーションシステムが高い信頼性を維持し、適切に動作していることを確認することも可能です。

エアインテークシステム

マーレが提供するエアインテークシステムは、吸入された外気から水分やダストを除去する一次分離のほか、メインフィルターエレメントを備えたエアフィルターモジュール、ターボチャージャーとのインターフェースを確保するセーフティインサートに至るまで、必要な機能をすべて網羅しています。モジュールの開発から生産までのプロセスをすべて内製化することで、顧客の要望に迅速かつ的確に対応する体制を構築しています。

エアフィルターモジュール

商用車用エアフィルターの開発では、取付スペースの厳しい制約をクリアすることが大きな課題の一つです。マーレのエアフィルターモジュールは、取付スペースや重量、その他システムとのインターフェースなど、ニーズに合わせたカスタマイズが可能です。エアフィルタモジュール開発におけるもう一つの焦点は、保守頻度の低減です。フィルターシステムの保守状況は、機械式センサーと電気式センサーにより検出し、画面上に表示される設計となっています。それぞれの仕様に合わせたソリューションだけでなく、カスタマイズ可能なモジュールコンセプトも提供しています。

ブローバイシステム用電気ヒーター

マーレのブローバイ用ヒーターは、アイシングを防止する目的でエア配管とブローバイ配管に使用されています。多彩なモジュールが揃ったこのヒーターの出力範囲は200~600 WでPTC技術を採用。最適化された加熱機能のほか、エンジン周辺部品との高い統合性を特長としています。

シリンダーヘッドカバー

マーレが提供するシリンダーヘッドカバーは、熱可塑性プラスチックを採用し、性能や機能統合性、設計面において最高水準の要件を満たした製品です。高耐久性と軽量性を両立し、遮音性・気密性にも優れ、自動車メーカーやエンジンメーカーが求める高い設計条件に対応します。商用車向けの最新シリンダーヘッドカバーは、さらなる進化を遂げています。オイルミストセパレーターなどの機能部品を一体化しデザインの一貫性を高めることで、気筒数に影響されないコスト効率の高い製品に仕上がっています。

樹脂オイルパン

樹脂オイルパンを採用することで幅広い機能を統合しながら重量の低減が可能です。断熱性に優れた素材が熱を逃がさず、エンジン再始動時のフリクションロスを低減します。新たに開発されたツールと生産コンセプトにより、量産化までの期間短縮化やコスト効率化を実現しています。

排ガス再循環装置(EGR)

窒素酸化物(NOx)の排出基準をクリアする一つの方法として、冷却式排ガス再循環装置(クールドEGR)を導入する方法があります。クールドEGRでは、エンジン排気出口とタービン間の排気流の一部を取り込み、専用の熱交換器で冷却した後、インタークーラー下流側の吸気に戻します。その結果、エンジンの燃焼温度が低下し、窒素酸化物(NOx)の生成が抑制されます。マーレのEGRクーラはー、熱機械強度、煤付着防止など、非常に優れた性能を発揮します。高性能の小型ウィングレットチューブの採用によりEGR温度の高安定化が実現した結果、EGRの制御性が向上します。