統合型システムソリューション実現の鍵

マーレはe-モビリティに関する技術力の強化を図り、電動ドライブと電動補機の幅広い製品ラインナップを基盤とする充実したシステムソリューションを提供しています。

エレクトロニクスは、未来のモビリティの要となる存在です。最高のパフォーマンスを引き出し、コストの最適化を図り、システムコントロールの効率化を目指す上で、最も重要な要素となる分野です。マーレは多彩なアプリケーションと幅広い出力域を実現するモジュール性に優れたソリューションを提供しています。

エネルギーマネジメント

EMCバッテリーフィルター

マーレのEMCバッテリーフィルターは、400Vバッテリー(最大電流190A)からのEMC干渉を効率的に低減します。フィルター周波数帯域は150 kHzから300MHzと幅広く、最大挿入損失は1MHzあたり60dBを実現。コンパクトで堅牢な設計を維持しながら、高電圧車両の過渡電流に対するバッテリーのイミュニティを向上させ、自動車業界の厳格な基準をクリアする高性能なフィルターです。カスタマイズ性にも優れ、バッテリーの電気抵抗や顧客の要望に最適な製品を提供します。

EMC Battery Filter
On-Board Charger

車載充電器(On-Board Charger)

マーレが提供する電子制御式OBCは、充電時の高い安全性と効率性を実現します。インテリジェントコントローラーが充電システムの種別を検知し、充電パラメーターを電力供給インフラの状態に合わせ最適に調整します。コンパクトでモジュール性を備えたマーレのOBCは、様々な種類の充電ステーションに対応する柔軟性に優れています。一般的な家庭にある単相電源のように充電速度が比較的ゆっくりな環境から、43kWの直流急速充電まで幅広く適応します。温度や接地状況、漏れ電流などを絶えずモニターし、高い安全性を確保します。

燃料電池モニター

マーレが提供する「燃料電池モニター」の採用で、水素燃料電池スタックの電圧や電気抵抗、温度などの状態管理が可能になります。搭載する2台のマイクロプロセッサーが燃料電池からの信号を処理し、セントラルコントロールユニットにフィードバック。求められる全ての機能安全性を達成します。スタック内の電圧を半導体モジュールを使って直接放圧することも可能です。安全性を最大限確保するため、「パイロスイッチ」を採用。緊急時には回路基板の電源を即時に遮断します。

Fuel Cell Monitor
DC to DC Converter

DC-DCコンバーター

絶縁型DC-DC降圧コンバーターは、高圧(HV)ドライブトレインバッテリーと既存の12V低圧システムを繋ぐ役割を果たします。DC-DCコンバーターに求められているのは、車両内での高い信頼性と、効率性・電力密度の実現です。マーレが独自に開発した専用部品をベースにした当コンバーターは、スタンドアロンユニットとしても、その他部品との統合モジュールとしても機能することが可能で、幅広い電圧帯に対応します。

コントローラー

PTCヒータコントローラー

PTCヒータコントローラーは、PWM技術でHVAC内の気流やクーラントの加熱制御を行います。低電圧(12 & 48V、500から2700ワット)から高電圧(400 & 800V、4000から8000ワット)まで幅広く対応します。また、各種通信プロトコル(PWM、LIN、CAN等)にも対応。最新の機種では、熱挙動を最適化し、優れた出力密度を実現。HVACの重量削減にも貢献する製品に仕上がっています。

High Voltage PTC-Heater Controller
PWM Controller for Powertrain Cooling

モータコントローラー

マーレのモータコントローラーは、ブラシ付きモーター及びブラシレスモーター向けとして開発されたもので、幅広い自動車アプリケーションに対応します。空調用ブロワー向けコントロールユニットから、電動ポンプ向けコントローラー、そしてパワートレイン冷却ファンモーターのコントロールユニットまで、それぞれに最適なソリューションをマーレが提供します。コンパクトで軽量設計のこのコントローラーはコスト効率にも優れており、設計要求に応える柔軟性が特徴です。PWMコントローラー、リニアコントローラーのいずれにも対応可能で、通信プロトコルを内蔵したり、過熱や過電圧、逆極性に対する保護機能などを付加したりすることもできます。お客様の望みを叶える最適なソリューションをマーレが実現します。

ディーゼルシステム向けエレクトロニクス

ディーゼルエンジン向け排気ガス後処理

今日、排気ガス後処理システムは有害排出ガスの更なる削減を目指す上でエンジンシステム全体の中でも重要な構成要素の一つであるとの認識が高まっています。短距離走行時でもディーゼル微粒子除去フィルタの浄化に必要な温度を達成するために、マーレはシステムの温度管理の役割を果たすコントロールユニットを開発しました。 例えば、アイドリング時のエンジン出力を短時間増加させて排気ガスを早期に温め、フィルターに供給し、化学物質を噴霧して粒子の燃焼を促す、もしくはインジェクターや電動ヒーターで排気管内の温度を上げる、などの管理を行います。電動コントローラーの他、マーレは粒子フィルターマネジメント向けセンサー素子も供給しています。

Control Unit for Diesel Aftertreatment Systems
Glow Plug Control Unit

グロープラグコントロールユニット

グローコントロールユニットは、ディーゼルエンジンの冷間時の始動を補助し、ディーゼル燃料混合気の燃焼を改善します。このコントロールユニットは、電圧4.4Vのグロープラグ向けに設計されたものです。この電圧のプラグは着火温度に速く到達する特徴を持っています。マーレのシステムは、最大4本のグロープラグをそれぞれ独立して制御することが可能です。短絡や過熱保護の機能も兼ね備え、極めて堅牢で信頼性の高い製品に仕上がっています。動作電圧は6V~16V。耐熱温度は-40℃から+90℃と幅広く、エンジン室内の取り付け位置も柔軟に検討することが可能です。

ノウハウを拡大し、確かな未来へ