クーリング技術

現在、トラックなどの商用車部門における技術開発の推進力となっているのは、厳格化する排気ガス規制への対応と燃費向上技術の探求です。そのため、冷却機能の分析・最適化に対する統合的アプローチ(サーマルマネージメント)の重要性が以前にも増して高まっています。

エンジン冷却部品、モジュール、システム

インタークーラ

水冷インタークーラシステムの場合、冷却は独立した低温クーラント循環回路を利用しているため、クーラコアのサイズを非常にコンパクトに抑えることが可能です。低温ラジエータの広いフロント面が冷気流で冷却されるため、給気温度を低温に維持することができます。水冷インタークーラは、空冷インタークータに比べて冷却効率が高く、コンパクトにエンジンに搭載することが可能です。過渡運転条件下でも、空冷式より安定した給気温度を維持することが可能となり、燃費向上にもつながります。

クーリングモジュール

クーリングモジュールは、エンジン冷却系部品と、空調回路のコンデンサから構成されています。主な構成部品は、ラジエータとインタークーラです。水冷インタークーラの場合は、コンデンサとラジエータ間にある低温ラジエータがインタークーラの機能を代行します。各部品の組み合わせを最適化することで、効率性を最大限に高めています。各車両の設計コンセプトに合わせたクーリングモジュールが、開発・製造・物流コストの削減に貢献します。

低温ラジエータ

水冷インタークーラでは、そこで発生した熱は外気に直接放出されません。独立した低温冷却回路(LT冷却回路)を通過し、その下流にある低温ラジエータ(LTラジエータ)を経由して外気に放出されます。この水冷インタークーラのLTラジエータは、エンジンクーリングモジュールにマウントされています。高いパフォーマンスを維持しながら、空冷インタークーラよりもコンパクトな設計が可能です。これは、空気から冷却水への高い熱伝導率により、優れた冷却機能が得られるためです。また、LTラジエータは、温度の影響を受けやすいリチウムイオンバッテリーやパワーエレクトロニクス、そしてやがては冷媒回路のコンデンサなど、様々な機器のサーマルマネージメントの最適化を図る目的で使用することも可能です。

ヒーティング&クーリングモジュール

現在のマーレのヒーティング&クーリングモジュールは、クーラントの流路ガイドや温度調節、そして濾過機能にも対応しています。流路ガイドや流量分布を最適化したクーラントは、エンジンやトランスミッションの他、必要に応じて燃料の熱交換にも用いられます。

ラジエータ

クーリングモジュールを構成する最も重要な部品、それがラジエータです。ラジエータは、ラジエータコアと冷却水タンクで構成されており、接続口と締結部を備えています。ラジエータコアは通常、アルミ製ですが、クーラントタンクはラジエータコアと同じアルミ製か、もしくはガラス繊維強化ポリアミド製となっています。

サーモスタット&コントロールバルブ

エンジン冷却機能の多様化にともない、車両内のエネルギーの流れをインテリジェントに制御する必要性が高まっています。各種システムやエンジン部品には、必要に応じてクーラントを適時に供給する必要があります。現代のシステムでは、温度条件や冷却回路も複雑化しています。エンジン運転マップ制御サーモスタットなど、マーレのインテリジェント制御システムは、オンデマンド作動方式の精密な温度制御を実現することで、運転の効率化、低燃費化、摩耗抑制、低排出ガス化を実現します。

Visco®ファン&Visco®ファン・ドライブ

電制Visco®ファンは、大型トラックから高出力エンジン搭載のバンやSUVまで、様々な車種に幅広く採用されています。冷却や空調に関連する温度を感知し、ファンの回転数を最適に制御します。高い応答性を確保し、車両停車中にはファンをアイドリング状態にするなど、正確なオンデマンド性能を実現。燃費や運転快適性、低騒音性など、各特性改善に貢献します。

Visco®ハイブリッドファン・ドライブは、ハイブリッド駆動に最適なソリューションを提供します。 Visco®ドライブが持つメリットと、ファン性能のオンデマンド制御や高い効率性・エネルギー回収性など電動アクチュエータが持つ強みをマーレのテクノロジーが融合します。

Visco® fan drive

排気ガス再循環装置(EGR)

窒素酸化物(NOx)の排出基準をクリアする一つの方法として、冷却式排ガス再循環装置(クールドEGR)を導入する方法があります。クールドEGRでは、エンジン排気出口とタービン間の排気流の一部を取り込み、専用の熱交換器で冷却した後、インタークーラ下流側の吸気に戻します。その結果、エンジンの燃焼温度が低下し、窒素酸化物(NOx)の生成が抑制されます。マーレのEGRクーラは、熱機械強度、煤付着防止など、非常に優れた性能を発揮します。高性能の小型ウィングレットチューブの採用によりEGR温度の高安定化が実現した結果、EGRの制御性が向上します。

電動ウォータポンプ

モジュール設計を取り入れたこのモータは、12Vでは最大450W、48Vでは最大1kWの電力を供給します。

メカニカルロスを低く抑えながらクーラントフローを個別に制御することで、燃費性能を飛躍的に向上。二酸化炭素(CO2)排出量も最大5%削減することに成功しています。

ブラシレスモータとベアリング技術の融合により、メンテナンスフリーでありながら信頼性の高い動作を実現します。また、クーラントで直接冷却することで電子部品の電力使用効率を最大化することが可能です。

Electric Coolant Pump