クーリング技術

燃費や排気ガス、車内快適性の改善に対する要求は、これまで以上に高まっています。これに応えるために、エンジン冷却は、サーマルマネージメントの中でも複雑な課題の一つになっています。マーレには、エンジンやインタークーラ、車内空調の他、電動モータやバッテリー、パワーエレクトロニクスなど、ハイブリッドコンポーネンツ向け冷却回路のトータルソリューションを開発・実行するノウハウと技術力があります。

エンジンクーリング用コンポーネンツ、モジュール、システム

バッテリー冷却

今日の自動車産業において、パワートレインの電動化は最も大きな技術革新の一つです。ハイブリッド車と電気自動車のリチウムイオンバッテリーとパワーエレクトロニクスを冷却し、40°C以下の温度に保つために低温クーラント回路と冷媒回路を内部的にリンクするという手法が編み出されました。その結果生まれたのが、個々の構成部品と制御システムの信頼性を大幅に向上させた新しい、複雑な回路です。

インタークーラ

燃費向上とCO2排出量削減に有効な対策の1つは、排気量を低減することです。通常、排気量を低減するには、ターボ過給と組み合わせて、出力とトルクの維持・向上を図る方法が用いられます。ターボの過給度が上昇すると、圧縮空気を冷却する必要性が高まります。そのため、インタークーラの果たす役割がより重要になります。マーレが開発したカスケード式水冷インタークーラ内蔵インテークマニフォールドは、圧力損失を最小限に抑えると同時に、コンパクトパッケージ化を実現します。2段階冷却システムを採用したことで、チャージエア温度を冷却水温度近くまで冷却することが可能になります。

クーラントポンプ

CO2排出量をさらに削減するには、燃焼エンジンが最適動作温度に到達する時間を短縮する方法があります。エンジンのコールドスタート後に冷却水流を静止すると、エンジンで発生した熱が冷却水によって直ちに放熱されることがないため、効率的な暖機が可能となります。

マーレが開発した水圧制御の冷却水ポンプは、シンプルかつ堅牢な設計により軽量化を実現しています。また、既存の各種エンジン冷却回路への対応も可能です。

クーリングモジュール

クーリングモジュールは、エンジン冷却系部品と、空調回路のコンデンサから構成されています。各部品を最適化し、効率性を最大限に高めています。各車両の設計コンセプトに合わせたクーリングモジュール仕様を実現することで、開発・製造・物流コストの削減に貢献します。

EGRクーラ

ディーゼル乗用車・商用車向けの新排ガス規制に適合するためには、エンジン単体を調整するだけでは対応できなくなっています。対応策の一つは、排ガス再循環(EGR)クーラの採用です。これは、エキゾーストマニフォールドとタービンの間で排気ガスの一部を取り出し、これを特殊なクーラを使って冷却した後、再びインタークーラ下流の吸気に戻すという技術です。これによりエンジンの燃焼温度が低下し、NOxガスの生成が抑制されます。EGRクーラ技術は、1999年に量産乗用車への導入が開始されています。ガソリンエンジンについては、今後数年で、燃費向上を目的としたEGRクーラの導入が見込まれています。マーレのEGRクーラはレーザー溶接を採用し、優れた耐食性を実現しています。

また、マーレでは、バイパス機能を搭載したEGRクーラも製品ラインナップに揃えています。バイパス部は、クーラハウジングに一体化された設計になっています。エンジンのコールドスタート時など、特定の動作条件では、EGRクーラの機能を無効化します。これにより、排気ガスの排出量を常に低レベルに抑制することが可能となります。

低温ラジエータ

水冷インタークーラでは、そこで発生した熱は外気に直接放出されません。独立した低温冷却回路(LT冷却回路)を通過し、その下流にある低温ラジエータ(LTラジエータ)を経由して外気に放出されます。この水冷インタークーラのLTラジエータは、エンジンクーリングモジュールにマウントされています。高いパフォーマンスを維持しながら、空冷インタークーラよりもコンパクトな設計が可能です。これは、空気から冷却水への高い熱伝導率により、優れた冷却機能が得られるためです。また、LTラジエータは、温度の影響を受けやすいリチウムイオンバッテリーやパワーエレクトロニクス、そしてやがては冷媒回路のコンデンサなど、様々な機器のサーマルマネージメントの最適化を図る目的で使用することも可能です。

ヒーティング・クーリングモジュール

加熱・冷却用モジュールの熱交換器は、層状構造が一般的で、エンジンやトランスミッション潤滑油の温度を安定化させる機能があります。熱交換器の働きにより、潤滑油が素早く加熱されるため、コールドスタート時の燃費が大幅に向上します。また、オイル高温時には、オイルの過熱や早期劣化を防止するため、オイル交換回数の低減が図れます。

現在のマーレのヒーティング・クーリングモジュールは、冷却水の流路ガイドや温度調節に加え、濾過の管理にも対応しています。流路ガイドや流量分布を最適化した冷却水は、エンジンやトランスミッションオイル熱交換器のほか、必要に応じて燃料熱交換器に供給されます。

ラジエータ

ラジエータは、クーリングモジュールの最も重要な構成要素です。エンジンやEGRクーラなどから冷却水が吸収した熱を外気に放熱する役割があります。ラジエータは、ラジエータコアと冷却水タンクで構成されており、接続口と締結部を備えています。ラジエータコアは通常、アルミ製です。冷却水タンクは、ラジエータコアと同じアルミ製か、ガラス繊維強化ポリアミド製です。

サーモスタット&コントロールバルブ

エンジン冷却機能の多様化にともない、車両内のエネルギーの流れをインテリジェントに制御する必要性が高まっています。各種システムやエンジン部品には、必要に応じて冷却水を適時に供給する必要があります。現代のシステムでは、温度条件や冷却回路も複雑化しています。エンジン運転マップ制御サーモスタットなど、マーレのインテリジェント制御システムは、オンデマンド作動方式の精密な温度制御を実現することで、運転の効率化、低燃費化、摩耗抑制、低排出ガス化を実現します。

電動クーラントポンプ

モジュール設計を採用した電動クーラントポンプの最大消費電力は、12Vタイプが450ワット、48Vタイプが1kWとなっています。

機械損失を抑えたクーラントフローの個別制御で、燃費を大幅に改善するだけでなく、CO2排出量を最大5%低下させることに成功しています。

電動ブラシレスモータとベアリングの採用で、メンテナンスフリーの高信頼性を実現。また、電子部品を直接冷却することで、電力使用効率を最大限に高めます。

Electric Coolant Pump